ひな祭りを桃の節句と言いますが、桃の花が咲く季節に行われるのでそのように言われるようになりました。
桃は見た目の可愛らしさからは想像しにくいのですが、じつは、魔除けや、厄除けの果物です。
昔は、季節の節目となる日(節句)に、お祓いやお清めの行事をしていました。
それが、女の子の健康と幸福を祝う行事に変化しました。
では、内裏雛の飾り方ですが、関東では、向かって左が男雛、右が女雛です。京都や関西の一部は逆に飾ります。
その理由は、日本では、「左上位」という考えがあります。西洋では、日本の逆で「右上位」です。
そこで、明治時代から現在の皇室では、西洋のルール同様の天皇が右、皇后が左にお座りになるように変わりました。
ということから、多くの地域では、向かって左に男雛を飾るようになりましたが、京都などは、昔のルールのまま飾る地域もあるようです。
どちらが正しいということではありません。
さて、ひな祭りでは、ちらし寿司や蛤のお吸い物などが行事食ですが、なぜ蛤なのでしょう。
蛤は同じ蛤の貝ではないと、ぴったりと合わずに隙間ができてしまいます。
そこで、仲の良い夫婦を表すようになり、「一生ひとりの人と仲良く」という意味が込められ、幸せな結婚ができますように、と食べられるようになりました。
また、今年の春のお彼岸が3月17日から始まります。
春のお彼岸は、牡丹の咲く季節なので、ぼた餅を食べます。
秋のお彼岸は、萩の花が咲く季節なので、おはぎを食べます。
また、ぼた餅は、こし餡で作られ、おはぎは粒あんを使うことが多いことを知っていましたか。
理由は秋に小豆が収穫されるので、収穫後すぐの小豆は柔らかいため、粒のままでも美味しく食べられます。
春のお彼岸は保存していた小豆を使うので漉したあんを使うそうですが、今は保存環境も整っているのでどちらの季節もいろいろな種類があります。
ちなみにおはぎ用語で、粒あんのことを半殺し、こしあんのことを皆殺しと言う地域もあるそうです。
少々、物騒な言い方ですね。