サービスする側の立場だけではなく、たまにはお客様という視点で接客を見直すことは、とても良い経験になります。
お店の方のこういう振る舞いは素敵だな~とか、このような会話ができると楽しいな~など、自ら感じることにより次回のお仕事に活かせることがたくさんあります。
そこで、こういう場合はどうすべき?という少し不安なテーブルマナーについてお話します。
ひとことでテーブルマナーと言っても、各国によってマナーは若干異なります。
例えば日本食の場合、ご飯やお味噌汁などの器は手に持っていただきますが、中国料理や西洋料理では基本的に器を持ち上げません。器を持ち上げて食べるのは日本の食文化だけです。
中国料理のスープは、器を口元へ持っていかずに、置いたまま蓮華やスプーンでいただきます。
西洋料理のスープは、片手を軽くお皿に添えて、スプーンを手前から向こう側へ動かし、音を立てないようにいただきます。
ところで、このスープを飲み終えた後のスプーンの置き場に悩むことはありませんか?
器がソーサーに置かれている場合は、スプーンをソーサーの上の奥に置きます。ソーサーが無い場合は、スプーンは器の中、4時くらいの位置に置きます。
ですが実際は、ソーサー上の手前に置いても、ソーサーがあっても器の中に置いたままでも間違いではないので、サービスする方が片づけやすいように置くのが良いでしょう。
ちなみに、和食で蓋の付いたものが出てきた時は、食べ終えた際の蓋は、出された時と同じように元の位置に戻します。
ですが、それでは食べ終えたかどうかが分かりにくいので、器を真ん中ではなく少し端の方にずらして置くことにより、食べ終わりましたというサインになります。
では、ナプキンを脚の上に置くタイミングや置き方はどうでしょうか。
着席して直ぐに取るのは早すぎます。一般的には、飲み物を先にオーダーしますよね。オーダーを済ませ飲み物が運ばれる頃、前菜が出て来る前に置いておくのが良いでしょう。
ナプキンは広げず、二つに折って脚の上に置きます。基本は、折って輪になっている方を手前に置きます。ナプキンで口元を拭いたり、指を拭いたりしますが、必ず内側、裏側で拭くようにし、汚れが見えないようにするのがポイントです。
また、途中で席を立つ時は、背もたれに掛けずに椅子の上に汚れが見えないように畳んで置きましょう。食事が済んだ後は、テーブルの上にぐちゃぐちゃにして置くのではなく、畳んでいる角を少しずらす程度にして置くのが綺麗です。
他にも色々とありますが、長くなりましたので、最後に一つだけ。
それは箸についてです。
箸の真ん中に小さな紙が巻かれていることがありませんか?
この紙を「箸留め」と言います。箸留めを破いてはいけません。お箸を1本ずつ抜いて綺麗に外しましょう。
テーブルマナーとは、何事もきれいに見えることが大切です。